そこへ、宿代を稼ぐために【傭兵】の仕事と勘違いした【リョウジ】もやって来ていた。
【ユカリ姫】はすぐに集まった者の中から【リョウジ】を見つけ、会いに行きたくなったが、臣下の者に、
「姫様。
特定の者にお会いになるのは控えてくださいませ。
その者が本物の勇者であれば必ずや生き残るでしょう」
と言われたので、出るのは諦めた。
一国のプリンセスとして、再会するのを楽しみにして。
だが、実際は、【リョウジ】に嫉妬した他の【偽者の勇者】達によって、【ギルド登録】もしていない【偽者の勇者】として、糾弾され、城を追われる事になったのだった。
その事実を後で知った【ユカリ姫】は激怒し、【リョウジ】を偽者と決めつけた者達を追放させた。
そして、早馬を出し、【リョウジ】の行方を捜したのだった。
参加者名簿から彼の名前が【リョウジ】だと言うことは解ったので、後は本人を捜すだけ。
そう、思っていたのだが、【リョウジ】は、【勇者】として、【ディオン国】に戻るつもりは無かった。
今まで黙っていた男達の中に混じっていた1人が口を開く。
「お願い申します。
【リョウジ】様。
他の者などどうでも良いのです。
あなた様だけ、あなた様だけが必要なのです。
どうか、あなた様のお力を城で見せて下さいませ。
さすれば、必ずや、あなた様は【勇者】として認められるはずでございます。
わたくしはそれを望みます」
「あ、あんただったのか」
その1人は【ユカリ・ディオン第一王女】その人だった。