「あの……
お名前は?」
「こいつのか?」
「いえ……その魔物の名前ではなく……
あなたのです」
「名乗るもんじゃねぇよ。
名無しの権兵衛にでもしといてくれや。
じゃあな。
俺は新しい寝床でも探すわ。
あんたも気をつけて帰れよ」
と言って立ち去った。
【ユカリ姫】は、その光景を見て、名前も知らなかった【リョウジ】こそが【真の勇者】だ。
――そう、思ったのだった。
城に戻った【ユカリ姫】は自分の身に起こった事を国王に話した。
当時、【リョウジ】の名前を聞いて無かったので、雲をつかむ様な話だったが、必死に、【リョウジ】の行方を捜した。
国をあげて【勇者募集】の張り紙も出し、国のいたる所から力に自信のある者達が現れた。