気配は全くない、何も感じられない…
 だから、外で見張りをしているアーサー達は気付くことが出来なかった。
「…これにしよう…」
 のっぺら坊は小さな声でつぶやいた。
 消え去りそうな小さな声でだ。
 のっぺら坊はカノンの顔に左手を添えた。
 それから、右手を自分の顔に当たる部分に添える。
 すると、のっぺら坊だった顔は髪の色こそ違うもののカノンにそっくりになった。
 のっぺら坊だった少女の名はクアンスティータだ。
 最強の化獣、クアンスティータの本体をサポートする側体(そくたい)の一つ、クアンスティータ・トルムドアと言った。