イグニスの支配者ジェンド・ガメオ・ファルアも、導造達と因縁浅からぬ間柄だった。
 ジェンドもルゥオと同様に幼い頃、子供達を攫いに来たアブソルーターだった。

 イグニスの民に救世主、吟侍がいつか助けに来る…。
 その噂を自ら広めていた。
 救世主という希望の光が奴隷達に生きる希望を与える。
 その希望を上手く利用して、奴隷達を使うというジェンド流の人心掌握術だった。
 ジェンドは悪辣な男だった。
 そんなジェンドに真っ正面から挑む、導造達だったが、ルゥオ同様に遙かに力をつけたジェンドはまともに相手にはしなかった。
 導造達はジェンドの居城に放し飼いされているドラゴンの群れに行く手をふさがれていた。
「どうした?…まさか、たかが、数十匹のトカゲの群れに怖じ気づくような腕でこの俺に挑もうとは思ってはいまい?」
 ジェンドは導造達が敵わないと解っていてからかっている。