17 出発前夜-ソナタとカノン
喧嘩も収まり、ジョージ神父の忠告もすんで、みんな最後の別れを惜しむようにそれぞれ雑談を始めた。
みんな別れが辛いとは言わない。
ただ、たくさん、しゃべっておこうと思っているのだ。
「…にしても、ほんと、趣味の悪いぬいぐるみね…タヌポンだっけ?」
ソナタはカノンが大事そうに抱えている狸のぬいぐるみを見て言った。
別々に行動する事になるカノンのために、吟侍がプレゼントしたぬいぐるみだ。
離れていても、思いを伝えるぬいぐるみだと言われたので、買い物に付き添っていたソナタが反対したのにもかかわらず、吟侍は三ヶ月分の小遣いをはたいてカノンにと買った。
カノンは吟侍のプレゼントしたものなら何でも喜ぶが、このぬいぐるみをソナタを通して渡された時、涙を流して感動した。