荒くれ者のユリシーズ達ですら絵本という形で心の奥底に恐怖が刻み込まれている。
 ジョージ神父に言われるまでもなく、クアンスティータに手を出そうという者はいない。
 ただ一人、芦柄吟侍を除いては。
 言うとバカにされるだけだから、黙っているが、吟侍はクアンスティータに勝ちたいと思っていた。
 幼い頃からずっと。
 それが、彼を最強の勇者と呼ばれるまでにしていたのだ。
 前に踏み出そうという力が他の人間より強いのだ。
 それを見抜いていた神父は
「クアンスティータに関わるな」
 という言葉を吟侍のために言って聞かせていたのだ。