1 うなされる夜

《あれは敵よ…カノン…打ち倒しなさい…》
(吟ちゃんは敵じゃない…倒すなんて出来ない…)
《あなたは女神御(めがみ)なのよ…聞き分けなさい…》
(いや…いやだよ…)
《あなたは特別な女神御…それだけは忘れないで》
 カノンは夢の中で謎の声と問答を繰り返し、うなされ、飛び起きる。
「…大切な人なんだもん…」
 ぽつりとつぶやく…
《あれはもう、人じゃない…》
 起きてもなお、声が響く…
 謎の声は吟侍(ぎんじ)を倒せと囁き続ける…
 だが、彼はカノンにとって初めての…
 カノンは今日もまた、悪夢にうなされる…
 彼女の中の女神御の部分と人としての吟侍を思う気持ちがぶつかり葛藤する…。