「お墓を作っているの。この人、多分、お墓も作って貰えない。だから、せめてあたいがお墓を作ってあげようと思って。ダーリンはそっちの人の手当をしてあげて欲しいな」
「何やってんだ、こいつはお前も殺そうと思ってやってきた刺客だぞ。そこに転がっている死体だって同じだ」
「死んじゃったらみんな仏様だよ。弔ってあげる人がいないと可哀相でしょ」
「わからねぇ、なんなんだ、お前は」
「あたいは魔女神っていうのになっちゃったけど、心までそうなりたくないもん。だから、人間として行動したい。それだけだよ」
「お前……」
 リグレットは動揺した。
 自分達を襲ってくる刺客に対しては驚く程、冷静に対処出来た。
 だが、シリスの行動は理解できない。
 いや、理解は出来る。
 ただ、認めたくないだけだった。
 復讐に生きる自分の行動を否定されたみたいになったからだ。
 復讐は何も生まない。
 復讐は新たな復讐を生む。
 それだけだ。

続く。