何の力も失った今、腕を変形させていたので、筋繊維や皮が耐えきれず、両腕がズタズタになったのだ。
「これで、お前も役立たずだ。他の配下に殺されるか、人知れずひっそりと暮らすかどちらか好きな方を選べ」
 リグレットはまるでくだらないものでも見るかのような表情で観察者を見る。
 ざまぁ見ろとでも言いたげな顔で。
 それを見ていたシリスは――
「人の不幸をそんな目で見るのは良くないと思う……よ」
 とつぶやいた。
 心優しき彼女は例え、自分を襲ってきた刺客であってもその後の不幸を考えると悲しい気持ちになるのだった。
「こいつはもう人じゃねぇよ」
 リグレットは何を言っているんだという表情でシリスを見る。
「人だよ。この人もこの人に殺された人もちゃんと生きているし、生きていた」
 そう良いながら、近くに落ちていた手頃な石を使って穴を掘っていた。
「何してんだよ?」
 リグレットはシリスの行動が理解出来なかった。