特別な力を持った者は大なり小なり、雰囲気が変わる。
 それは少なからず、手にした力に精神の方も影響されているからだ。
 むしろ、特別な力を手にしながら、普段と全く変わらない者の方が異常者だ。
「どこが違うかその身をもって確かめるんだな」
 観察者はリグレットの易い挑発には乗らなかった。
 自分の異能に自信を持っているからだろう。
 観察者は腕をゴキゴキならす。
 すると、両腕からびっしりトゲが生えた。
 さっきは両腕が鉄のように硬化して、男を叩き殺した。
 どうやら、両腕の質を変化させる異能を持っているようだ。
「シリス、そこ邪魔だ、もう少し離れていろ」
「う、うん……」
 リグレットに指示されてシリスはその場から離れる。
「待ってるんだな、小娘。この愚か者の後はお前をじっくりいたぶってから殺してやる。それが、マリス様に刃向かった者の末路だ」
 観察者はシリスを脅す。

続く。