それがマリスという魔女神のやり口だった。
 自分に喧嘩を売って来た男を庇う訳ではないが、マリスの組織のそういう体質に吐き気を覚えるリグレットだった。
 こういう状況に慣れていないのか、一緒に買い物をしていたシリスは男に絡まれた時から隅っこでずっと震えている。
 本来、殺し合いとかするような女の子ではないのだ。
 みんな仲良く、幸せになれれば良い――
 そんな事を願う優しい女の子なのだ。
 そういう心優しい気持ちを踏みにじる輩がリグレットは何より嫌いだった。
 こういう時は素直にシリスのために戦いたいと思えるのだった。
「俺はこの役立たずの様にはいかんぞ」
 男を殺害した観察者は毒づく。
「そうか?俺にはそこの骸と大差ないように思えるが」
 リグレットは観察者に対しても挑発した。
 この観察者は死体となった男とは違う事は何となく解っている。
 何かの異能を持っている。