その花を咲かせているのは憎むべき、魔女神の力に他ならない。
 もちろん、シリスは憎むべき対象ではない。
 むしろ、好意を持って接してくれているので、憎むどころか好意を持ちかえすべき対象なのかも知れない。
 彼女が咲かせた花にも全く罪はない。
 だが、今は魔女神に関するものは全て憎く見える。
 彼女は純粋に優しさを振りまいているのに、それが偽善に見えてならない。
 そんな自分が嫌だった。
「リグレット、もう少し、シリスちゃんに優しくなれないのか?」
 バーのマスターをやっている情報屋のカルロスがリグレットを窘める。
「それより、紫の魔女神の情報は入ってないのか?」
 今のリグレットに他人を気遣っている余裕はない。