こんな時どんな言葉をかけてあげればいいのか解らないけど、
「負けても死ぬ訳じゃない。頑張って来て」
 と言うのが精一杯だった。
 この言葉が適切かどうかは解らないけど、彼女にチーム昴の三回戦進出の命運がかかっているのは確かだ。
「か、監督、これで良いでしょうか?」
 震えながらみらちゃんが聞いて来る。
 ごめんなさい。
 余計なプレッシャーをかけちゃってるね。
 監督失格だね、私。
 とにかく、私はギュッとみらちゃんの両手を握ってあげた。
 すると、少し落ち着いたのか、微かに微笑む。
 みらちゃんが用意したICは【武者侍(むしゃざむらい)】だ。
 彼女の理想の男性がモデルだという彼女の切り札とも言うべきICだ。
 それだけ、この勝負に全てを賭けていると言って良かった。