今では彼女のICを真似る選手も出てきている。
なんにせよ、その分野の開拓者、パイオニアであるという事は想像力においてかなりのアドバンテージが期待できる。
これからのプレイも期待できる十分な有望選手に育ってくれた。
感情の起伏が乏しいところがあって、それが、自身のICを活かしきれていないところがあるが、感情表現を覚えれば、彼女はもっと飛躍的に伸びるだろう。
もう一人は氷室 恭起。
五年前、彼は自ら、俺と来ると言ってきた。
だから、正直、期待もしたが、今は伸び悩んでいる。
温子の元に置いて来た、獣馬という少年が居てはじめて彼は伸びるタイプだったようだ。
獣馬少年が居ないこの環境では代わりのライバルを用意しなくてはならないとは思っているが、適度なライバルは見あたらない。
何にせよ、獣馬少年の存在に頼っている意味では真の強者にはなれない。