それで、ギリギリの状態で勝ち続けていた。
彼なりの気配りなのだろう。
だが、それは他の選手にとっての侮辱と受け取られてもしかたがない。
最初の内は祥吉君達も惜しい所までいったけど僅かに及ばなかったと思っていたが、彼も想像力が成長していく内に、獣馬君との圧倒的な想像力の差に気づく。
「こんなとこ、辞めてやる」
祥吉君はその言葉を最後にCランクチームから去っていった。
「ごめん、温子、また、選手に逃げられちまった」
「獣馬君、お母さんでしょ」
「温子は温子だよ。お袋だなんて呼べるか」
「もう……それはいいとして、ごめんね、獣馬君。いつも気を遣わせてしまって」
「仕方ないだろ。めぼしいやつなんてみんなAかBに持っていかれるんだから。俺や揺花の相手になるやつなんてここには来ねぇしな」
私が獣馬君と揺花ちゃんを引き取ってから早、5年が経つ。
だけど、いまだに、Cランクチームとして、地球戦の予選大会にさえ出場できていない。
理由は獣馬君と揺花ちゃんとバランスが取れる他のチームメイトがいないためだ。
二人が他の選手に合わせてレベルを落とせば、地球戦さえ、勝ち上がるのは不可能になる。