そのため、生涯の伴侶としてVRPを選ぶ若者も少なくなく、それが社会問題ともなっていた。
ヴァーチャル・データのVRPを一気に社会問題に引き上げたのは【ヨルトモ】だった。
VRPは本来、孤独な人間との対話を目的に開発されたデータだった。
そのため、触感――触る事には対応していなかった。
夕愛達は別だが、普通のVRPはホストコンピューターと姿形を映すための転写装置。
最低限、それだけ有れば低スペックのVRPは機能する。
だが、それに満足しないユーザー達の間で、作られたアイテムが、【夜の共】通称、【ヨルトモ】だった。
生身の女性の質感を再現するためにかなりの研究が繰り返され、そのアイテムは細部までの感触が再現された。
それはエッチが出来る所まで表現されていて、それによる妊娠――ではなく、射精による基本データが破壊されるという事態が起きているのだ。
生身の様に触れるようになるという事は何が起きてもおかしくないのだ。
突然、暴漢に襲われる事だって無いとは言えないし、彼方と結ばれる事だってあり得る事だ。