奈朝の時の人工火星人によるウイルスの指摘と言い、亡き姉の想像力のたくましさには驚かされるが、奈朝の事は本当に起こった。
今度も本当に起きるかも知れない。
念には念を入れた方が無難だろう。
実体化出来るという事は彼方に触れることができるという事だ。
それは、触れない夕愛や奈朝にとってはかなり不利な状況と言える。
「ふぅ…多少、バグが残っているが、仕方ねえ、あれを送るか…」
「あなた、あれってまさかあれなの?」
「しゃあねぇだろ、時間無ぇいし」
「そうだけど……」
実体化出来る唯夜への対抗アイテムは既にある。
だが、真も奈留も気が進まない感じだった。
そのアイテムの名前は【ヨルトモ】といった。
元々、一般VRP用に開発された【感触】を得るためのアイテムだった。
彼方の生きている時代では珍しいが、未来においてはVRPは基本的に一般化した存在だった。