夕愛は触れられれば負けるという危険な状況でなおかつ、使った技が研究されるという状態での不利な戦いを強いられた。
 が、柔よく剛を制す。
 夕愛は前のゲームでの経験値を活かし、土塊による腐拳、拳の一撃を交わすと同時に、腐食液の及んでない彼の肘を押し、腐拳の腕を土塊の顔にかすらせた。
「ふっ……見事である」
「好敵手と書いてライバルでした、あなたは」
 崩れ落ちて文字通り腐った土塊となる土塊。
 一歩間違えば、こうなっていたのは夕愛の方だった。
 それだけ、ギリギリの戦いだった。