翌日、三度目として、彼方の元に現れた夕愛は――
「まずは、お友達から始めさせて下さい。お願いします」
と頭を下げた。
彼方は、少し考え――
「――よろしく。まだ、君を信じているかと言えば嘘になるかも知れないけど、君には何かあるような気がする。ここで君を無視したら、僕は一生後悔する――そんな気がする。だから、僕の方からもよろしく。お互いを理解して行きたいと思っています」
と手を差し出した。
夕愛はデジタル・データの存在。
握手は出来ない。
「よろしくお願いします。でもあの……」
「握手が出来ないのは百も承知だよ。でも、形だけでも」
「あ、はい、よろしくお願いします」
二人は握手の真似事をした。