「大切 一日さん、退院おめでとうございます。リハビリにしばらくかかりますが、無事、完治しましたよ」
 一日は主治医から完治を告げられた。
「ありがとう――ところで先生、私が眠りについてどのくらい経ちました?」
「……四十年ですね。大切さんのご親戚は弟さんのご家族がまだ、いらっしゃいます」
「よ、四十年……」
 一日は呆然とした。
 四十年も経ってしまった。
 彼方は五十四歳になってしまっているんだ。


続く。