「で、ですから、最初にお伝えしておいたじゃないですか。もう一戦あるかも知れませんと」
 レフェリーが花梨を宥めようとする。
「そ、それは言われましたけど、なんで、もう一回戦う必要があるんですか?」
「大会の参加申し込みの際にもお伝えしておいたと思いますが?」
「どういうこと?私、聞いてない」
 当然だった。
 この大会への参加は覇仁が決めた事。
 参加申し込み時の事を彼女が知るわけもない。
「忘れておった。確かに、そんな事を言われたわい」
 覇仁が思い出したかの様に口を開く。
「どういう事よ、おじいちゃん?」
「うむ。実はのう――」
 覇仁が語り始めた。