「と、とにかく、汗を流して。部屋にシャワーがあるからそれで。それからにしましょ」
「わ、わかった。すぐ出るから」
 汗だくの佐和義に少しでも休んでもらわないと一緒に逃げる事も出来ない。
 途中で、彼の体力が尽きるからだ。
 大富豪家の包囲網は体力が尽きた状態で抜け出せる程、甘くはないのは彼女もよく解っている。
 殺人鬼を花嫁候補に出来るくらいの権力があるのだ。
 花梨と佐和義を捕まえるのくらい、訳はないだろう。
 佐和義には体力を回復してもらってから――
 花梨はそう考えた。