「あの……他の選手が通り過ぎて行ったんですけど?」
 花梨がつぶやく。
「あんたのせいだ……」
 ジャリスもつぶやく。
「は?」
「あんたが、目立ち過ぎるから、私はあんたを警戒して、優勝を逃してしまった。こうなったらやけだ。あんたに予選は突破させない。私と一緒に予選落ちだ。さっきのがゴールしたら、予選敗退が決まる」
「何言ってんですか?じゃあ、抜かさないといけないじゃないですか」
「私はこの足だ。もう、追い越せない」
「そういう後ろ向きな考え、私、嫌いです」
「好きに思え。どちらにしろ、あんたは私と仲良く、負けだ」
「あなたはそうでも私は違います。通らせていただきます」
「通さない」
 ジャリスは両腕をコースいっぱいに広げ邪魔をした。
 抜け道は見えない。