「私の親友がお世話になったわね」
「お世話した覚えはないんですけど。あなたの親友も知らないし」
「フランソワって言えば解るかしら?」
「解りませんが」
「ざけんな、あんたが、初戦で倒した相手だ。名前くらい覚えとけ」
「そう言えば、そんな名前の人がいたような……」
「ムカツク、ムカツク、ムカツクぅ」
 大柄の女は怒りを露わにした。
 基本的に花梨は尊敬出来ない行動をしている人間は覚えない様にしている。
 記憶には無いが、おそらくフランソワという者も大した相手ではないのだろう。
 そして、目の前に居る女も記憶には残らないだろう。