立ちつくして考えていると
「おい、待てって」
 サムが追いかけてきた。
 彼はあくまでもリグレットを魔女神への憂さ晴らしに誘うつもりらしい。
「俺は、紫の魔女神以外に興味はない」
「だけどよぉ、お前、紫の魔女神の加護を得たままじゃ紫の魔女神は倒せないぜ」
「そんなことは解ってる」
「わかってねぇよ、まぁ、聞けって――桃色の魔女神をぶっ殺すのには訳があるんだよ」
「訳?」
「そう、訳だ。桃色の魔女神を殺した奴にはもれなく茶色の魔女神の加護が貰えるんだよ。茶色の魔女神の加護を得られれば、紫の魔女神を殺す事も不可能じゃない。どうだ、悪い話じゃないだろ?」
「………」
「それに、桃色の魔女神って奴は特殊な魔女神でな、自分の意志でなった魔女神じゃねぇんだ。娘を溺愛してた父親が桃色の魔女神にするために無理矢理喰わせたんだよ。九十九人分の胆を。――で、最後の一つとして、父親が自分の胆を差し出したんだけど、それを拒否して吐き出しちまって魔女神になりそこねたって奴なんだよ。バカだろぉ?後、一人分くらい喰っちまえば良いのに」
 サムはにたりと笑ってそう言った。