「こんちわ」
「うむ、よく来た、入れ」
「実は、頼みがあって来たんだけどさ」
「何だ?言って見ろ」
「俺は九十八代目の四色ウナギ店の店長になった助蔵(すけぞう)ってもんだけどさ。見ての通り、ほら、俺、腕なくてさ、足なら十本あるんだけどさ」
「ふむ、そのようだな」
「先代がさ、お客様に足で切ったもんを出すってのかと言われちまってさ、何とか義手を作ってもらえないかと思ってさぁ」
「義手を作ってどうする?」
「それ使って、ウナギを捌こうかと思ってさ」
「ただ、作ったのではだめだな、義手に魂を乗せて切るのだ。修行し直さなくてはなるまい、一兵卒からやり直せ」
「一兵卒って兵隊じゃないんだからさ」
「細かい事を気にするな。だが、今のままでは誰もお前の料理を食さんだろう。よし、我が稽古をつけてやろう。かかってこい」