「……正直……あそこまで鈍いとは思って無かったわ……私の事、完全に男の子だと思っているし……」
「はは、バカで有名やからな、彼は……」
 大阪碧が軽く笑った。
 太輔がおかしいのは学校では有名だった。

「ホントに葵ちゃん、彼のこと……」
 姫路白衣の顔が曇る。
「仕方ないでしょ……好きになっちゃったんだから……」
 葵の顔が桜色に染まる。
 ずっと、告白はされて来たが、人を好きになるのはこれが始めてだからだ。
「でも、今だに信じられないな……あの緩川君が葵の命を助けた恩人だなんて……」
 熊本吉良がつぶやいた。

続く。