それを示すように、悪夢を告げた手紙は跡形も無く消えてしまった。
 その手紙が普通の手紙では無いという事が確定してしまった。
「い……嫌よ……」
 姫野の顔が曇り、涙を浮かべる。
 また、姫野が辛い顔をしてしまった。
 今度は誰かが行方不明になったという話は聞かない……

 だから、誰が悪霊のストーカーになったのかは解らない。
 悪夢が復活したとなると姫野が再び、【空】になるという可能性も出てくる。
 正直、姫野が【空】になってしまうと俺達では手のうちようがない。

 くそ、誰だ、いったい……
「姫野……俺がまた、守るから……」
「山下くん……」
 俺は彼女の肩をそっと抱き寄せる事くらいしか出来なかった。
 悪夢は……やつらは……近い内に、また、姫野の前に現れる……
 そう、思うと、また、悪夢達に対する激しい怒りが俺を支配した。
 来るなら来やがれ、また、叩きのめしてやる……
 俺はそう自分で、自分を鼓舞するのだった。