だが、人通りが多い、イコール【棘】のエリアだ。
 霊力の無い人間は容易く【棘】の操り人形に成り下がる。
 前からも後ろからも彼女を追い詰めて行く……
 姫野はずっとこんな奴らを相手にしていたんだ……
 警察も悪霊じゃ対処のしようが無い。
 霊能者なんて、身近に居ない。
 姫野の絶望感を考えると俺は自分の考えの甘さに腹が立った。
 【棘】除けのお札の数も残り少ない。
 どうすれば良いんだ……
 俺まで絶望感に打ちのめされて行く。
 そんな時、声がした。

(……助けてやろうか……)

 確かにそう聞こえた。
 俺と姫野はその声にすがった。
 ……すがってしまった。