偽姫野……【闇】の【鈴木美恩】も掻き消えた。
「……ぐすっ……バカな人……」
 こつんと俺の肩に額をのせた姫野は肩を振るわせてつぶやいた。
 俺は気付いた。
 彼女はずっと一人で戦って来ていたんだ……
 誰かに相談すれば、その誰かを巻き込んでしまうから……
 誰にも心を許さず……たった一人で……
 俺の心は悪霊に対して、怖いという気持ちより、許せないという気持ちの方が勝っていた。
 俺は、彼女の肩に手を置いた。
 少し、また、彼女に近づけた気がした。