フェンディナ・マカフシギは、
「ちょ、ちょっと待ってください。あなたはソナタさんと関係があるんですか?あなたは、メロディアス……」
 と話しかけるも、キャロルは、
「ごめんねぇ~、急いでいるの、私。――遅刻しそうでさ。授業に遅れちゃうから、さよなら~」
 と言って、あっと言う間に走り去って行った。
 フェンディナ・マカフシギが出会ったキャロルという名前の少女――それは紛れもなくソナタやカノンと同じ、メロディアス王家のプリンセスだった。
 ソナタ達の父親にあたるブルース国王、その四番目の王妃、カヴァティーナ・フィナリス・メロディアスはソナタ達の義妹を身ごもったまま行方不明になっていた。
 そのカヴァティーナ第四王妃が産んだ娘が、第八王女、キャロル・フレーズ・メロディアスだった。
 母親のカヴァティーナはソナタの二年先輩であり、幼い頃、ソナタの口から吟侍の活躍を聞かされていた。
 ソナタは表だっては馬鹿にしていたが、内心では吟侍はヒーローそのものだった。
 その内に秘めた思いは吟侍の恋人である妹、カノンには話す事が出来なかったので代わりにカヴァティーナに話していた。
 ソナタの話を聞かされたカヴァティーナはその後、神隠しにあい、当時からすれば少し未来に当たる時代のロスト・ネット・ワールドに来てしまった。
 そこで、キャロルを産み落とした。