壊れた時、そのオルゴールは【ニズ・クォトヌァール】では無くなった。
 それはもう、ただの壊れたオルゴール。
 【ニズ・クォトヌァール】では無くなった。
 【ニズ・クォトヌァール】――無数――複数の不思議な何かを持つ存在(?)――
 どのような存在なのか?
 どこから来て――
 どこへ行く存在なのか?――
 それは解らない。
 ただ、今や【ニズ・クォトヌァール】は【クアンスティータの子?】に次ぐ謎めいた存在となっていた。
 不思議な存在。
 解っていることは、彼女はもうオルゴールでは無くなった。
 ただ、それだけの話だった。
 彼女がオルゴールだった頃の事を知る者の心の中にはリフレイン――木霊する。
【♪ティンティリントゥンティンタントゥンティンタンティントット……
 てぃんてぃりんとぅんてぃんたんとぅんてぃんたんてぃんとととん……
 ティンティリントゥンティンタントゥンティンタンティントット……
 てぃんてぃりんとぅんてぃんたんとぅんてぃんたんてぃんとととん……♪】
 いつまでも鳴り止まないメロディー。
 オルゴールの音色を聞いた者にはそれが刻まれていた。
 不思議な不思議な存在【ニズ・クォトヌァール】――
 彼女は何者なのか?
 それは誰にも解らない。
 そんな謎、不思議だらけの彼女を追う者がいた。