だが、違った。
 両親は恭精を助けた事を罵倒して非難した。
 こんなどこの馬の骨とも解らない男を助けるなど、どうかしていると言って、彼女の行いを否定した。
 友達もそうだった。
 何でこんな小汚い男を助けるの?
 と馬鹿にした。
 なんでなの?
 彼を――恭精を助ける事がそんなに悪い事なの?
 彼女はそう思った。
 その時、ずっと自分の行動を否定され、レールの上を歩かされて来た自分と彼の人生が重なった。
 彼女は、自分には両親を――友達を見返してやる力はない。
 ずっとお嬢様育ちで習い事以外、何もしてこなかったから何かをやる力は無い。
 だけど、彼ならば、やってくれるのではないか?
 自分が羽ばたけなかった外の世界に羽ばたいてくれるのではないか?
 そう、思った。