だから、その1年1ヶ月と24日後までは彼女はクアンスティータの後継者候補ではない。
 ただの【エクシトゥス】だ。
 だから、己の立場をわきまえて、【謎装】は使わない。
 あれは、クアンスティータの後継者としての力だから。
 だから、例え殺されてしまっても使わない。
 そう決めているのだから。
 それこそが、クアンスティータの後継者としてふさわしい器と言える。
 だからこそ、彼女はクアンスティータの後継者の1名に選ばれた。
 この気持ちがわからないからこそ、【シュストゥムヴィーノ】は失格者としての烙印を押されているのだ。
 とは言え、無抵抗のままでは彼女は殺されてしまうのは時間の問題。
 その彼女を救い出した存在――それが、【未知御 終主】という少年だった。
 終主は今まで、かたくなに【答装】の力を使う事を拒否していた。
 何故ならば、その力はとても怖い力だから。
 欲望の赴くままに使えば彼は化け物になる。
 だから、例え酷い暴力を受けても使わなかった。
 使うべきではないと判断していた。
 絶対に使ってやるものかと心に決めていた。