自分の死期が近いと悟った利圏は、最愛のひ孫に話しておくべき事を全て話す事にした。
 これが終われば悔いは全く無い。
 喜んで天に召されよう。
 利圏はそう思った。
 沙玲は、
「ひいおじいさま。
 どうなさったのですか?
 何か変ですよ」
 と言った。
 状況が解ってないのだ。
 曾祖父がもう少しで他界するという事を。
 もう、何も思い残す事が無くなり、力尽きる事を。
 ただ、大好きな曾祖父の話があるというのであれば素直に聞く。
 それだけだった。
 曾祖父は昔話も交え、ひ孫に聞かせた。
 4時間37分――
 曾祖父が思いを込めた話にかけた時間だ。
 その時間で曾祖父はひ孫へ伝えたい話を話しきった。