だから、自分の代わりに沙玲をコントロールする役を持った者が必要だ。
 利圏はそう考え、彼女に【役】を指示する自分の後継者、【脚本家】も探した。
 そして、その【脚本家】候補も何名か見つかり、【役】もあらかた用意出来た。
 彼女に演技指導する【監督】候補も見つけた。
 後は、後継者達に指示を出し、沙玲を最強の勇者にするプロジェクトを立ち上げてもらえば良い。
 自分に出来る事はもう、後、僅か。
 だが、心配は無い。
 ひ孫はあの【芦柄 吟侍】の【追伸】をもらったのだから。
 後は黙っていても彼女のサクセスストーリーは出来あがっていく。
 そう思うと笑って死んでいける様な気がした。
 利圏は、
「だれか……
 沙玲を。
 沙玲を呼んでくれ。
 最後に話したい」
 と言って、愛すべき、ひ孫を呼ぶ様に指示を出した。