侵入者達は、
「ん?何だ、こいつ?」
「こいつも珍しい生き物じゃねぇか?」
「生き物か、こいつ?」
「わかんねぇけど、持ち帰ったら良い見世物になんじゃねぇか?」
「俺、こいつ欲しいな。
 ペットにして飼ってやっても良いや」
「それより、このお宝だよ、お宝。一生遊べるんじゃねぇか?」
「山分けだ。山分け、抜け駆けすんじゃねぇぞ」
 と口々に言う。
 【ぬいこっと】と侵入者達十数名の意思疎通は出来て居ない。
 だが、【ぬいこっと】の困った感情に引き寄せられてやって来た影があった。
「これはこれは、お客さんですか?
 おいらっちは稀生 踊詩と申します。
 この場所の主っすね。
 良いでしょ、ここ。
 【歌曲音御(もしくは歌曲音々で呼び方はどちらも【かきょくねおん】)】って言ってね。
 誰かが歌ったり演奏したりじゃなくて、場所そのものが歌や音を出すものを指すんですよ。
 おいらっちは世界他外に散らばったこの【歌曲音御】を集めるのも趣味の一つにしてるんですよね。
 本当はコイン型に加工するのが一般的なんだけど、まだ、ここに置いてあるのは加工前の天然物なんだよね。
 あげる訳にはいかないけど、聴いていく分には一向にかまわないよ。
 一緒に聴いてみようか?」
 と声をかけてきた。