03 芦柄 吟侍(あしがら ぎんじ)の後継者3 稀生 踊詩(きにゅう ようし)の物語――おいらっちのことかい?


 ポンポンポン……
「はぁ~忙し、忙し……」
 彼女は忙しなく働いている。
 彼女と言っても、彼女は人ではない。
 近いもので表すのであれば、【人形】が近いだろうか?
 だが、彼女は【人形】でもない。
 クアンスティータの様な【化獣(ばけもの)】をかたどったとされる【化形(けぎょう)】
と呼ばれている。
 見た目は普通の女の子の【人形】と変わらない。
 だが、普通の【人形】では出来ない力などを数多く与えられているのが、この【化形の少女】だ。
 彼女にはパートナーと持ち主が居る。
 パートナーは【ぬいこっと】だ。
 【ぬいぐるみ】と【マスコット】を合わせた存在が【ぬいこっと】になる。
 【化形の少女】もそうだが、【ぬいこっと】も【人形】や【ぬいぐるみ】を指す名称であって、個体名ではない。
 ――そう、彼女達にはまだ名前が無い。
 名前は無いが、【化形の少女】と【ぬいこっと】以外にも呼び方があった。
 それは、【クエニーデのお友達】だ。
 【クエニーデ】――それは、クアンスティータの後継者を示す【三つの名】である【成り上がるクアンスティータ】と【天下るクアンスティータ】と共に表される最後の名であり、最も力があるとされている【クアンスティータの子?】に与えられるべき仮の名前である。