遊浮は、
「知らねぇよぉ、それがなんなんだよ?」
 と言った。
 エクシトゥスは、ゆっくり諭す様に、
「通常の【世界他外】では存在を1名とは表現されていません。
 個体であるのと多数であるのとが曖昧なためです。
 多少ですが、わかりやすく言えば、【宇宙世界】での個体に当たる存在は【世界他外】では【宇宙世界】なのです。
 それが、【世界他外】が【宇宙世界】の一つ上の場所とされる所以でもあります。
 あなたの目で個人だと映っているものは実は複数――いえ、【宇宙世界】そのものなのです。
 私達はそれを私達の住んでいる【宇宙世界】と区別するために【宇宙自界(うちゅうじかい)】もしくは、【自由宇宙(じゆううちゅう)】と呼んでいます。
 【世界他外】においては個で動いているというのは極めて稀なのです。
 【宇宙世界】単位で動いているというのが常識なのです。
 【世界他外】の白き世界の中に点在する黒き世界は【宇宙世界】と環境を同じ様にして、圧縮した【宇宙自界】である【世界他外】の存在を個に見せて居る場所なのです。
 貴方はそれが解って居なかった。
 だから敗北したのです。
 少なくとも、それが解っていたら、距離だけは取れたはずです。
 時間と空間が破綻している【世界他外】で距離の話をするのもおかしな話ですが……」
 と言った。