だが、それも時間の問題だった。
 宇宙世界と同じ様に見える黒き世界も元は世界他外のもの――世界他外の事をほとんど知らずに挑戦した彼は身の程知らずとしか言えなかった。
 彼は世界他外の理さえ知らないのだ。
 最期の時を迎えようとする遊浮――
「へへっ俺も焼きが回ったな……これでしめぇか……」
 辞世の句を言おうとする。
 その彼を救ったのは1人の少女だった。
 いや、少女というのは違うかも知れない。
 彼女は少女に見えて、これまで、遊浮が想像もしないレベルの苦難を生き抜いてきた者だからだ。
 少女は、
「まだ、生きているのであれば、そこから帰りなさい。
 ここは貴方が来るような所じゃない……」
 と言った。
 彼女が指し示した方向には、空間の歪みの様に見える穴が空いていた。
 その先は宇宙世界――遊浮が帰るべき場所である。
 少女は、
「貴方では実力不足――ここではやっていけない。
 悪い事は言わないからおとなしく帰りなさい」
 とそう告げた。