答えはノーだ。
 歌というものでは無いのだが、歌の様な相手の心を振るわせるものは存在しているという。
 歌に近い役目を持っているので、命名するのであれば【似歌(じか)】とでも言うべきものなのだろうが、仕組みの様なものは全くの別物である。
 それはわかりやすい表現で言えば、放出する運搬用のエネルギーに歌を乗せるというのが良いだろうか?
 それが基本の一つとなっているようだ。
 【超吟侍№6549】の報告でもあるように、世界他外は全てのルールが一緒という訳では無いようなので、これは【超吟侍№5113】が調べた範囲、調べた地域の様なものの中でのルールの様なものなのだろう。
 この様に、【超吟侍】達がもたらす情報は1名1名はごく僅かなものに過ぎない。
 だが、それらの情報を合わせて考える事によって見えてくるものもあるという事だった。
 残念ながら、どこまで行っても一緒では無いという事が解ってしまったので、完全に世界他外とはどのようなものであるという事は知る事は出来ないが、それでもどのようなものがあるのかという事が解っただけでも御の字と言える事だった。
 オルオティーナはこれらの報告をしてきた【超吟侍】だけでなく、ただ、生きて帰って来ただけの【超吟侍】達に対しても、
「うむ。報告ご苦労じゃった。疲れを癒やすが良い。お前達にはまた働いて欲しいと思うておる。言葉も無いほど感謝する。褒美も取らす。好きに申すがよい」
 とねぎらいの言葉をかけるのだった。
 これが、吟侍の生体データを元にした存在でない者を強化した【遣上超使】であったならば、同じパワーどころか倍以上のパワーを持たせていたとしても、ここまでの成果はあげられなかっただろう。