レクタ姫は……
「ご苦労様ね。良いわ行っても……」
 との連れないお言葉だった。
 レクタ姫にとっては当然なのかも知れない。
 僕はレクタ姫の勇者として加わる資格を得るために冒険したに過ぎないのだから。
 出来て当たり前。
 完璧に出来ても感謝されることはない。
 当然の事としてとられているのだろう。
 失敗すれば逆に手ひどい仕置きがまっていたかも知れないけどね。
 でも、良いんだ。
 僕はレクタ姫に感謝されるためにやった訳じゃ無い。
 僕はクルワ姫のためにテストモデルを引き受けたんだ。
 その辺は僕もわきまえている。
 レクタ姫とはギブアンドテイクの関係で良い。
 貴女のための冒険はクリアするけど、その後はクルワ姫の冒険にも参加させてもらう。
 それだけは譲れない。
 そのために、僕は頑張るのだから。
 そのために、死にものぐるいで、レクタ姫の宿命にも手を貸すのだから。
 全てはあの心優しいプリンセスのため。
 あの悲しいお姫様に笑顔をプレゼントするためなのだから。
 僕はその思いを心の奥にしまった。
 表向きはレクタ姫のために命を差し出すふりをしなくてはならない。
 ダナ姫の物語の辺鄙な国の王子の様に自分の本当の目的を偽って行動しなくてはならない。
 真なる思いを秘めて、僕はレクタ姫の冒険に向かうのだった。


続く。