クルワ姫は、
「姉のことをよろしくお願いします」
 そう言って、檻から出してくれた。
 やっぱりそうだ。
 彼女の力なら、いつでも檻から出ることは出来たんだ。
 僕を牢屋から出せたのがその証拠だ。
 出る力はあったのに出なかったのは彼女が優しいからだ。
 彼女が表舞台に出てくれば、民衆は不安にかられる。
 だから、日陰の身を選んだ。
 僕は確信する。
 この影の姫君こそ、真の聖女だ。
 汚れ無き魂だ。
 神様、見ているのであれば彼女に幸せをお与えください。
 そのためならば、この命、惜しくはありません。
 でも、死ぬわけにはいかない。
 僕が死ねばクルワ姫は悲しむだろうから。
 自分の事で彼女を悲しませられない。
 だから、僕も生きて帰るんだ。
 絶対に死なない。
 僕はそう、決意する。