だから、僕もこの地下牢を出て行こうとは思わない。
 僕が彼女のために出来る最大の貢献――それは彼女の話相手になってあげる事なのだから。
 僕とクルワ姫の事は別として、表の世界の物語は何かしら動いているようだ。
 だけど、今の僕らには関係ない。
 僕らは裏の世界に幽閉されているのだから。
 今の僕が掴める最大の幸せは今日もこうしてクルワ姫と話せる事くらいなのだから。