01 リーネア国の双子の姫


 僕の名前はパラボラ――今はしがないただの男だ。
 今は国中の男達が盛り上がっている。
 理由は簡単だ。
 光の姫と名高いリーネア国のレクタ姫の婿捜しで盛り上がっているからだ。
 リーネア国で僕以外の男が彼女に夢中なのは無理は無い。
 容姿の美しさもさる事ながら、彼女が起こしたとされる数々の奇跡は、この国の最大の伝説として語り継がれている。
 彼女は生きながらにして、若くして伝説になったのだから。
 その婿選びが平民である自分達にも及ぶと聞かされて浮かれないという方が無理があるだろう。
 だけど、僕は見てしまった。
 まるで太陽の光の様なレクタ姫には静かに光る月光の様な双子の妹が居たという事を。
 存在して居ないという事にされている哀れな妹姫の事を。
 華やかな印象のレクタ姫と違い、その双子の妹姫はおしとやかな印象だった。
 まるで、レクタ姫とは表と裏の関係にあるかの様に映るその妹姫の名前はクルワ姫というらしい。