宗史郎殿は、
「良いぜ、それでやろう」
 と言い、相手の思うがままに契約書にサインをする。
 いけないと駆け寄る我だったが、宗史郎殿は、
「心配すんなって。要すりゃ勝ちゃいいんだ、勝ちゃ」
 と言った。
 その言葉を待っていたかのようにブチャイクンは、
「そう……勝てればなぁ」
 と薄気味悪い笑いを浮かべる。
 まるでカモでも見つけたかの様な表情じゃ。
 してやられた――我はそう思うた。
 このブチャイクンという男はこの場所に迷い込んだ初心者をカモにするごろつきじゃ。
 その事に気づいておりながら、我は――
 と思うておると、宗史郎殿は、
「そんな辛気くせぇ顔すんなって。これは俺の力を見るって事なんだろ?だったら、それに答えてやるよ。こんなちんけなカス相手に負ける訳ねぇだろ」
 と言った。
 我は、
「そ、宗史郎殿……」
 と言うとブチャイクンは、
「言ってくれるじゃねぇか。俺をカスだと?後悔させてやるぜ」
 と言ってニタリと笑った。
 宗史郎殿は、
「それはお前が見せた100枚じゃなくて、本当は10000万枚のコインを持っているって事の余裕だろ?」
 と答えた。