手には宗史郎殿と同じ100枚前後のコインを持っておる。
 どうやら、実力が互角なので、勝負しないかと持ちかけて来た様じゃ。
 宗史郎殿は、
「良いぜ、やろうか。俺も連れに力を示さないといけないんでな」
 とおっしゃった。
 勝負を受けるつもりのようじゃ。
 相手の男は、
「そうこなくっちゃな。俺の名はブチャイクンだ。お前は?」
 と言った。
 宗史郎殿は、
「俺の名前は美緑 宗史郎と言うらしい……あんまり実感はないが……」
 と答えた。
 ブチャイクンは、
「そうか、よろしくな。良かったら、契約バトルにしねぇか?」
 と言ってきた。
 【契約バトル】とは、ルールを決め、お互い、そのルールを破る事は命で償うという契約を結ぶというものじゃ。
 おかしい……。
 宗史郎殿は素人じゃ。
 素人相手にこの様なバトルを提案するなど、何か裏があるはず――
 宗史郎殿、受けてはならぬ。
 そう思う我の思いに反して、宗史郎殿は、
「いいぜ、受けてやる。どんなルールにするんだ?」
 と聞いた。
 ブチャイクンは、
「なぁに、簡単な事さ、勝負は繰り返し行う。止める事を選択出来るのは勝者のみってのはどうだ?勝負を降りたけりゃ勝つしかない。どうも俺とやる奴は臆病者が多くてな。すぐに勝負を降りちまう。俺としては不完全燃焼な訳よ。そこでだ、止めるには俺に勝ってからにしてもらおう――そういう保険だ。お前を男と見込んでこのルールを適用したいんだが、どうだ?」
 と言った。