00 ご主人思いのキツネコ


 我はキツネコ――
 天狐(キツネ)と化け猫(ネコ)の掛け合わせじゃ。
 と言っても大したもんじゃない。
 どちらの力も大したレベルまで到達しなかった半端物じゃ。
 我のことはよい。
 我は物語の主人公ではないのじゃからな。
 それより、我は主人公に推挙したい者がおる。
 傷ついた我を介抱してくれた優しいお人じゃ。
 名前は宮平 運萌(みやだいら うんも)という。
 とても優しい人柄じゃったが、この度、自ら命を絶ってしまわれた。
 悲しい事じゃ。
 優しいが故に、心ない人間共の下劣な嫌がらせに耐えかねたのじゃ。
 我に自ら命を絶つ事の詫びを入れ、そのまま、首を吊ろうとなされた。
 ここはだめじゃ。
 この世はだめじゃ。
 こんな世界では、ご主人の真の良さは伝わらぬ。
 別の世界が良い。
 別の世界でご主人を大成させたい。
 そう思うた我は、一つの決意をしたのじゃ。
 我は幸い、命を13ほどもっておる。