吟侍は、
「なんで、あんた、ロスト・ネット・ワールドに来たんだ?」
 と聞いて見た。
 【有続者チョテウ】は、
「死ぬわけには行かなかったからだ。私も罪を犯し、クアンスティータに始末される恐れがあった」
 と答えた。
 詳しく聞いて見ると、騙され、友を殺してしまったらしい。
 だが、友の子供を育てねばならなかったので、死ぬわけには行かなかったらしい。
 殺されるのは友の子供の手で――そう決めていたようだ。
 【有続者】である【チョテウ】はロスト・ネット・ワールドに渡り、【有続者】としての力をその友の子供に譲渡しようとした。
 その時、悪意を持つ存在につけ込まれ、封印され、名前を利用されてしまったのだそうだ。
 【有続者チョテウ】としては騒動による混乱で行方不明となった友の子供を探す必要がある様だが、それは吟侍達の仕事ではない。
 【有続者チョテウ】には【有続者チョテウ】の人生がある。
 そして、それは吟侍達とは関係のないものでもある。
 自分の事は自分で解決してもらうのが一番だ。
 吟侍達が口を出す事ではない。
 【有続者チョテウ】が思って居たほどに情けない存在ではなく、それなりにしっかりした考えの持ち主であるという事がわかっただけでも収穫と言えた。
 力に群がるクズというのはどこにでも居る。
 【有続者チョテウ】はそれに利用されただけだった。
 それを確認した所で、このエリアでの目的を果たした吟侍達は、【宇宙海】のエリアに行くまでにあるもう一つの壁のエリアに向かって行くのだった。