戦闘狂でもある彼女はこの一撃だけで、ドラゴンを超越した存在だと言うことに気づいた。
 エカテリーナも吟侍同様にセレークトゥース・ワールドで得た膨大過ぎる力を制御して戻って来ている。
 とは言え、吟侍に【答えの力】という反則技とも言える力があるように、彼女にもクアンスティータの乳母にして摂政(せっしょう)でもあるオルオティーナから譲り受けた古き力というものがある。
 4種類ある古き力の内、【不可能を可能にする力】はすでにエカテリーナの身になりつつある。
 クアンスティータから逃げてロスト・ネット・ワールドに行き着いた先で、たまたま突然変異を起こして強がっているような輩に後れを取るつもりは無かった。
 エカテリーナは、【不可能を可能にする力】で自身の力を限界突破させ、本来は通用しないであろう【ドラゴッド】の硬すぎる皮膚を突き破り、【ウィンドラ】を撃破した。
 絶命したのを確認したエカテリーナは、
「今夜はトカゲの姿煮じゃな」
 と言った。
 ソナタは、
「え~それ、食べるのぉ~?」
 と言ったが、エカテリーナは、
「文句を言うな。他に食材が見つからぬ以上、こいつを喰うより他にあるまい。それに、こやつも妾達を喰おうとしたのじゃ、妾達が喰ってやる事がこいつに対する供養になるじゃろう」
 と言った。
 ステラは、
「私達三人じゃ食べきれないわよ、こんなに大きいの。私達の数百倍もあるじゃないの」
 と言ったが、エカテリーナは、
「心配するな。妾とて、2番の化獣フリーアローラを子宮に宿す身ぞ。余った分は、ちゃんとフリーアローラの勢力に片付けてもらうわ」
 と言って自分のお腹をポンっとたたいて見せた。
 頼りの吟侍達と離れてしまったとは言え、彼女達もセレークトゥース・ワールドの冒険を生き抜いてきたのだ。
 三人とも、【ドラゴッド】一匹にやられるような玉では無かった。